戦後、ほぼ消えたと言われていた「くる病」が、再び子どもたちの間で増え始めています。
くる病の症状としては骨の発育不良が原因と言われるO脚や背中の骨が曲がってしまうなどの症状が見られ、主な原因としてはビタミンDの不足と言われています。
ここではくる病の予防対策と、お子さんのくる病に気付くための大切なポイントをご紹介していきます。
子供のくる病とは?
くる病とは、手足の変形や発育不全を引き起こす病気です。子どもの骨が柔らかいまま十分に成長出来ないことで症状が出ると言われています。
子供のくる病の原因
くる病の原因はビタミンDの不足と言われています。ビタミンDはカルシウムを体内に取り込むために必要なビタミン。そのビタミンDが不足することにより、骨の発育不良を起こしていると考えられています。
ビタミンDが不足した原因
現代において、ビタミンDが不足している原因は日光浴不足が大きく関連しています。体内でビタミンDが合成されるためには、皮膚に紫外線があたることが必要になります。
しかし近年では、紫外線を浴びることで皮膚がんになる可能性が高まるとして、過度に日光浴を避ける傾向があります。昼間の外出を少なくし、日焼け止めを常に利用するなど、紫外線に敏感になりすぎた結果、ビタミンD不足という症状が現れてしまっているということです。
【くる病の説明動画】
子供のくる病の予防と対策
くる病の具体的な予防対策としては、適度な紫外線を浴びることと、ビタミンDの含まれた食材をとるということです。日光浴は紫外線が強すぎる時間をさけ、明け方や夕方など、優しい太陽の光を浴びに行くような散歩を取り入れることで、ビタミンDの合成を促します。
赤ちゃんの場合、食材といっても栄養は母乳か粉ミルクということになります。全母乳にこだわらずに1日の中でビタミンDが含まれるタイプの粉ミルクを取り入れることも有効な方法といえます。母乳をメインで育てつつ1日1回、あるいは数日に1回は粉ミルクをはさむといった形ですね。
子供のくる病に気付く3つのポイント
くる病に気付くためのポイントを紹介します。全ての赤ちゃんがくる病になるわけではありません。普段の様子からその症状に気付いてあげましょう。ポイントはこちらの3つです
- 足を延ばした際に膝の隙間が広く、こぶしが入ってしまう。
- 手首が腫れている感じに見える。
- ろっ骨の横側が盛り上がっている。
お座りやはいはいの時期が遅いことで気が付くケースもあります。しかし、なかなか素人で判断することは難しいので、気になった時は予防接種を打ちに行っている小児科などに相談してみると良いでしょう。
くる病は栄養不足だった時代の病気
くる病は貧しい時代の病気と言われていたため、肥満などが問題になる栄養過多な現代では消えていくと言われていた病気です。しかし、先ほど紹介したような極端な日光浴不足などの影響などにより、再び増え始めています。
昔の人たちが適度な日向ぼっこを積極的に行っていた背景には、日光浴によって防がれている病気があるということを、科学的なデータがなくても感じていたからなのかもしれませんね。
大人のくる病の症状は骨軟化症
大人の場合はくる病ではなく「骨軟化症」といいます。
ビタミンDの不足によりカルシウムの吸収不足が起きることで骨粗鬆症のリスクが高めるという背景もあるので、子どもだけではなく大人もビタミンDを意識した食生活を心がける必要があります。
ビタミンDの取りすぎ注意
ビタミンDの不足が骨に良くないということは分かりますが、だからといって過剰摂取は他の病気を引き起こすことにもつながるので避けましょう。カルシウムが体中にたまりすぎてしまうことで、腎臓の機能不全を起こしてしまい、腎不全になる場合などがあります。ビタミンDに限らず、栄養過多は避けてバランスの良い食生活を心がけましょう。
子供のくる病 まとめ
くる病はビタミンDの不足が引き起こす病気です。
赤ちゃんのためには適度な日光浴が必要ということが分かりますね。日光浴が難しい時は、ビタミンDの含まれた粉ミルクを飲ませることでくる病予防になります。
環境にあわせた対策をして、くる病を予防しましょう。
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