もともとはふくらまし粉や、こんにゃくを固めたり、胃薬の成分として利用されてきた重曹。しかし今では掃除に効果的なアイテムとして定着しています。
汚れには重曹というイメージがありますが、実は何でも落とせるわけではありません。重曹の正しい使い方について学び、お掃除に取り入れていきましょう。
重曹とは
漢字で見ると何だか薬品ぽくて、体には良くなさそうに見えますが、正式名称は「重炭酸曹達(ソーダ)」と言い、これを略して重曹と言われています。
別名は「炭酸水素ナトリウム」と言い、体内にも存在する成分です。この表記だと、食品に使われているのも理解できますね。
そうすると今度は、食品用と掃除用と別れていることに疑問を感じませんか?
体内に入っても大丈夫なはずなのに、どうして区別されているのでしょうか。
その違いは、精製度合いの違いです。薬品に使われるものは精製されて純度ほぼ100%、食品用は薬用よりも少し精製度合いが低く粗めです。掃除用は体内に入らないので、ほとんど精製されていません。
間違って掃除用を飲用した場合、極端な害はありませんが、不純物が多いため多量に摂取すると、嘔吐や下痢を引き起こしますので気をつけてください。
重曹が落とせる汚れ、落とせない汚れ
重曹はどんな汚れも落とせるイメージがありますが、実はそうではありません。
汚れには「酸性とアルカリ性がある」ということをご存知でしょうか。落としたい汚れがどちらのタイプなのかが分かっていないと、せっかくの重曹効果も期待できないのです。
今までに「思ったほど汚れが落ちなかった」「臭いが取れていない気がする」という経験がある方。汚れや臭いを落とすには、「中和することで、汚れや臭いが落ちる」ことを理解しておかなければなりません。
中和するとは、アルカリ性と酸性を組み合わせることを言います。重曹はアルカリ性のため、酸性の汚れや臭いでないと落とすことができないのです。
では酸性の汚れとは、一体どんなものがあるのでしょうか。
重曹で落とせる酸性汚れ
私たちの身の回りでいうと「油汚れ・焦げつき・ヌメリ」による汚れ、「生ゴミ・汗・排水溝」の臭いがあります。
反対にアルカリ性の汚れは「水垢」と「腐敗臭・尿」の臭いです。(これらの汚れにはクエン酸が最適です。)
このため重曹は、台所掃除には向いていますが、トイレや風呂掃除には向いていないと言えます。
重曹の効果的な使い方は?
重曹は台所掃除に向いていることがわかりました。では、より効果的な使い方をお教えしましょう。
汚れの度合いによって、重曹の使い方を変えると綺麗に落とすことができます。
重曹スプレー
その日についた油汚れなど、軽い汚れに。
40度くらいのお湯100mlに対して、重曹小さじ1を入れてよく振る。
重曹ペースト
五徳の焦げつきなどに。
重曹大さじ2〜3杯に対して、水大さじ1を加えて練る。
重曹クレンザー
換気扇など、頑固な油汚れに。
重曹40gに食器用洗剤を大さじ4杯入れて混ぜる。酢大さじ1を加えて発泡させる。
重曹には汚れを落とすだけでなく、脱臭効果もあります。ゴミ袋に一握り入れておくと、生ゴミの嫌な臭いをある程度吸収してくれますよ。
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まとめ
重曹が略語だったことから始まり、すべての汚れに万能ではないことは意外でしたね。
なんとなく使っていた重曹を、今日からは汚れの状態によって使いわけていけそうです。ちなみに美容にもいいそうで、お風呂に一つかみ入れたり、かかとのガサつきやスネの黒ずみ除去にも使えるようです。
ただし研磨効果があるので、洗顔には使わないようにしてくださいね。