桜
その美しい姿に多くの人は魅了され、短くも儚い姿に感銘を受けます。
そして花が散って行くにつれて「桜」だったことも忘れ去られていく・・・。
多くの人が「桜の花」に美しさを感じる中で、「葉桜こそ美しい」という声も多くあります。
ここではその「葉桜」の魅力に迫ります。
葉桜は美しい
一般的に「桜が綺麗」と言われるのは花の咲きはじめから満開あたりまで、その後は「花が散り始めている」という見方をされてしまい、少し緑色の葉っぱが顔を出し始めると、まだ咲きはじめと同じかそれ以上の桜の花が咲いているにも関わらず、「桜の時期は終わった」と、マイナスな見方に変わってしまいます。
まだ現役バリバリのスポーツ選手が、全盛期のキレや勢いがなくなってきたことを理由に「この選手は終わった」と、次の選手を探し始める現象にも似たことが、桜の世界でも起こっているのです。
では、全盛期のキレや勢いがなくなった選手はその魅力をなくしてしまっているのでしょうか?
サッカー界のレジェンド
スポーツの中でも世界的に人気が高いサッカー。
サッカーの世界で最高のパフォーマンスが出来る選手年齢は20代中盤から20代後半と言われています。
その年代の枠に考えて考えていくと、30代からはパフォーマンスは落ちることになるので、当然人気も落ちていくという考えにいたります。
たしかに若くてがむしゃらな若い選手には「何かやってくれるのでは?」という期待も高まるため多くの人からの注目を集めることがあります。
しかし、本当のサッカーファンが見ているのは実はそこではなく、これまでの貢献度や年月を重ねた匠の技の部分であることが多いのです。
たしかにスピードやスタミナ面では若いプレーヤーに劣りますが、魅せるという巧みな技の部分では、その短い出場時間の中でも一際大きな輝きを放つのです。
だからこそサッカー界のレジェンドたちには多くのサッカーファンからの声援が鳴りやまないのです。
野球界のレジェンド
野球の世界も厳しい世界です。サッカーと同じく活躍できる時間の短いスポーツとして有名です。
その厳しさはドラフト1位で入団した期待のピッチャーが、1度も勝利をあげることなく引退をすることもあるような世界。
若さと勢いがあっても結果を残せるとは限らない世界です。
そんな中で、30代や40代の選手が安定したプレーでチームの勝利に貢献し、その姿には多くの野球ファンから絶賛の声が上がります。
プレー中の姿だけでなく、練習に対する姿勢や道具に感謝する想いなども、見るものの心を熱くしてやまないのです。
演歌界の大御所
歌の世界にも同じようなことが言えます。
その年を彩った若手歌手が、年末に多くの番組で歌を披露していますが、長く心に残る歌とはいったいどのような歌なのでしょうか?
きっと多くの人の心に残った歌は「流行った歌」の印象ではなく「大御所が歌ったあの曲たち」なのではないでしょうか?
心に残るものと言うのは、そのもの自体の内容だけでなく、それを魅せる側の心意気や思い入れの多さも大きく影響してくるものなのではと思わずにはいられません。
「葉桜」の儚さに魅了される
葉桜にはこれからこれから桜満開になる楽しみも、空間をピンク一面に彩る華やかさもありません。
しかしそこには人々の心つかんで離さない「儚い魅力」が溢れているのです。
桜のお祭りで屋台やイベントに大はしゃぎだったあの頃。
同僚と集まってお酒を飲みながら騒いだあの時間。
そんな懐かしい時間を思い返しながら「今年も葉桜かぁ・・・」なんてつぶやくことが、桜を楽しむ本当の醍醐味ではないのでしょうか。
これは、昨日今日桜の魅力を楽しみだした「若手のプレーヤー」では感じることができません。
見る側のあなたが年月を経て積みあげた想いがあって初めて「葉桜の巧みな美」を感じることができるようになるのです。
積み上げたものに美しさを感じるところは日本人特有の美徳かも知れませんね。
葉桜をモチーフにした作品
葉桜をテーマにした恋愛ミステリー。
葉桜の季節に君を想うということ
歌野晶午の名作。
テレビで取り上げられたことからネット上でも話題となり、一躍有名作品となりました。
しかしその反面、ネットで検索してしまうと多くの感想や、場合によっては「ストーリー」といったこれから読む人の楽しみまでもが紹介されてしまっていることが多いので、できれば外からの情報が入ってしまう前に読みたい作品。
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葉桜の美を満喫したいですね。