雨が続く梅雨の時期、洗濯物が乾かなくて、いつ晴れてくれるのかが待ち遠しい季節です。
出かける時も傘を持っていこうか、もっていかなかったときに限って大雨が降ったりと、悩みが増えてしまう時期ですね。
そんな雨によって湿度が上がる梅雨の季節の悩みと言えば「食中毒」ではないでしょうか。
今回は、梅雨の食中毒対策について、基本的な対策方法と細菌ごとの症状と対策についてご紹介していきたいと思います。
まずは家庭内の食中毒についてです。
家庭内でも食中毒は起こる
食中毒と聞くと、飲食店などで発生するニュースになるような集団食中毒をイメージする人も多いと思います。しかし、食中毒全体の中で、家の食事が原因でおこっている食中毒は2割ほどの割合を占めていると言われています。
家庭内の食中毒は、お腹をこわす人数が少ないので、「食中毒とは認識されずに」風邪や寝冷えなどの他の症状だと思われていることもあるのです。
とくに梅雨から夏にかけては季節の変わり目にもなるので、温度の変化で体調を壊したと思うことは凄く自然なことだと思います。
そして、体調を崩しやすい時期だからこそ、風邪と食中毒のダブルの負担になることを避けるために、食中毒への注意をしっかりと行う事が大切になってきます。
梅雨に増える細菌性食中毒
食中毒の中でも、梅雨の時期に増えてくるタイプは細菌性食中毒です。
細菌性食中毒は「感染型食中毒」と「毒素型食中毒」にわかれます。
感染型食中毒
感染型食中毒は、食品などの中にいる細菌を一緒に食べてしまうことにより、腸の中で細菌が増殖してしまい食中毒をおこします。
毒素型食中毒
毒素型食中毒は、食品などの中で増殖した細菌が発生させた毒素を食べてしまうことでおきてしまう食中毒です。
この毒素型食中毒の場合は、加熱処理をして細菌を殺菌したとしても、発生した毒素が熱に強いタイプの毒素だった場合は、加熱処理に関係なく食中毒を引き起こしてしまいます。
感染型食中毒の分類
感染型食中毒の主な細菌の分類です。腸炎ビブリオや0-157などが有名ですね。
- 腸炎ビブリオ
- 腸管出血性大腸菌0-157(病原性大腸菌)
- サルモネラ・エンテリティディス(サルモネラ属菌)
- コレラ菌
- 赤痢菌
- カンピロバクター
- リステリア菌
- ウェルシュ菌 など
毒素型食中毒の分類
毒素型食中毒の主な細菌の分類です。黄色ブドウ球菌による食中毒は、経験したことのある人が多いのではないでしょうか。
- 黄色ブドウ球菌
- ボツリヌス菌
- セレウス菌
基本の食中毒対策
梅雨の季節に意識しておくと良い「食中毒の基本的な対策」についてご紹介していきます。
食品購入時の注意点
食中毒対策は、スーパーや八百屋さんで買い物をするときから意識しておくことをお勧めします。
魚や肉類は食材から汁が出ていることが多く、その汁が他の食材についてしまうことにより、細菌が繁殖する原因になってしまいます。
食材の汁が他の食品につかないように気をつけながら買い物を行いましょう。
ポイント! |
汁に注意 |
---|
保存方法の注意点
「要冷蔵」などの温度に注意が必要な食品は、早めに家に持ち帰り、冷蔵庫や冷凍庫に適切に保存しましょう。
できるだけ急いで冷蔵庫に入れたいところですが、少しだけ我慢して手洗いをしっかりおこなってから食品を保存していくと、手についた細菌を冷蔵庫に入れてしまうリスクを減らせます。
ポイント! |
買い物後はまっすぐ家に帰る |
---|
調理時の注意点
調理の際に注意しておくと良いことのご紹介です。
調理前
先ほど少し話題にもなった魚や肉などの「汁」ですが、調理の際も意識的に他の食材と離すようにしましょう。
また、まな板は調理後にも洗っているとは思いますが、調理前にもまな板を洗って、よくすすいでから調理を開始すると良いでしょう。
調理中
指輪やつけ爪など、手に付けているものは外しましょう。指輪やつけ爪の隙間は洗いにくく、細菌が潜みやすい環境になっています。
ケガをしている場合は、傷口に集まる細菌もいるので、手洗いだけでなく、手袋をするとより安心して調理ができます。
食事中
食事中は箸の使い方に注意が必要です。
一つの箸で複数の料理をさわってしまと、料理に細菌がいた場合に他の食材へと移ってしまいます。
箸は一品づつに取り箸を用意して、細菌が移らないように心がけましょう。
食事後
残った料理を保存する際は、取りばしでしか触っていない料理に限って、個別で容器に分けて保存しましょう。
食べている箸で触った料理は保存するのではなく、そのまま食べきってしまった方が良いでしょう。
細菌別の症状と対処方法
ここからは、細菌別の症状と対処方法をご紹介していきます。
食中毒対策の参考にしてください。