ベトナムではお正月の事を「テト」と呼びます。
また、その新年であるテトは旧暦で祝うため日本のような1月1日がお正月ではありません。新暦では1月の中頃から2月の中頃にさしかかるころにあたります。
大体2週間程テト休みがあるため、学校はもちろん、企業も長い休みに入ります。テトの頃になると日付を数える時は頭の中を旧暦に切り替える為、それを知らない私達の様な外国人は日付が混乱してしまいます。。。
ベトナム人はテトを迎える為に年末から買い出しで忙しく過ごします。その理由はテトになるとどのお店も閉まる為、年内のうちに買い物を済ませながらばならない為です。食材は神様に供える為にも1番重要なものです。
今回はベトナムのお正月に食べられる料理を紹介させて頂きます。
ベトナムの御節料理に欠かせないものは?
まずはベトナムのおせち料理「テト料理」に欠かせないものからご紹介します。
テト料理に欠かせないBánh Chưng バイン チュン
テトでなにより欠かせない物は、もち米料理のバインチュンです。
日本でいう鏡餅にあたるものです。ベトナムの家庭ではテト前に大量のバインチュンを手作りでつくります。もち米に緑豆、豚肉が入っていて食べ応えのあるもち米料理です。
バインチュンは大きなバナナの葉で包まれておりそれを茹でることで長持ちさせる効果があります。また、そのまま食べるのに飽きたら焼いて食べるのも美味しく頂けます。焼いて食べる時は少し多めの油で焼き、揚げ餅の様になるまで焼くと美味しいです。
現地の人はチリソースや魚醤につけて食べたりします。最近では、お店で買うこともできますが、伝統を守る家庭やお年寄りがいる家庭ではお年寄りを筆頭にバインチュンを手作りします。
ちなみに北部のバインチュンは一辺20cmほどの四角いちまきですが、南部のバインチュンはバインテトと呼ばれ長さ30cmほどの円筒状のちまきになります。
テト料理に欠かせない5つの果物
5つの果物は5行星と呼ばれ、火・水・木・金・土に対して供える意味があります。
北部では5つの果物の中にバナナを入れますが、南部では一年中悪いことしか起きないという意味になる為、ナンセンスです。
地方によって果物の種類は違いますが、どんな果物を供えても、何種類いれても神様と祖先に感謝することは変わりません。とても大切なお供え物です。
供える果物1つ1つに意味がある為、慎重に選ばなければなりません。
テト料理に欠かせない鶏肉
テトでは鶏肉が縁起良いものとされており、神様に供えます。
テト前に鶏肉を供える用、食べる用に最低2羽準備しておきます。供える用はシンプルに鶏の羽を綺麗に剥いで茹でただけの鶏です。
茹でた鳥の周りには人参などで飾り付けをし、見栄えを豪華にしてお供えをします。また、その鳥はテト明けに食べます。
テトに食べていいものは?食べたらいけないものは?
テト時に北部の人はタマネギの漬物を食べますが、南部の人はモヤシの漬物を食べます。
それぞれ炒めたり、煮たりして調理をして食べます。南部では普段からモヤシを食べる為、テトでは欠かせない存在です。
それに対して北部ではタマネギの漬物を食べます。味と食感はラッキョウの様な感じで食べ話やすいです。
他には、北部の人は年初に卵を食べますが、南部の人は年初煮豚とアヒルの卵の煮付けを食べます。北部では卵の形が数字の0に似ていることから縁起が悪く年初に食べません。
スープに関しても北部では豚肉の皮を使ったスープですが、南部ではゴーヤの肉詰めのスープを食べる習慣があります。違いがあって面白いですね!!
テト時は家にいるべき?それとも旅行にいくべき?
ベトナムでも地方が異なれば習慣が全く違います。
テト時には北部の人は家に居てテトの挨拶にくる客を迎える、もしくは挨拶回りに行きます。
また、南部の人は旅行に行くことが多いです。
おそらく南部では1年中暑い為、外にでて出かけたいという風習があるようです。南部の人の多くは国外旅行ですが、中国、香港、タイなどの隣国か人気だそうです。
北部は日本同様に冬の為、寒い時期がテトになります。ちなみに北部の人は夏に旅行に行く人が多いです。北部ではテトの日から3日間は朝から晩まで来客対応や訪問で忙しいです。
来客が来た際には子供たちにはLì xì リーシーというお年玉をあげたり貰ったり、美味しい飴、ナッツ菓子、チョコレートなどを食べたりと楽しい時間を過ごします。
ベトナムと御節料理とテト まとめ
いかがでしたか?
ベトナムでのお正月は地方や習慣によって全く違う為、少し複雑ですね。でも、旅行時期がテトの時期であれば旅行先で現地の方に対して失礼のない様にしたいものです。
その為には今回紹介させて頂いたことを少しでも把握し、参考にしていただければ幸いです。これからベトナムへ旅行予定の方はなるべくテトの時期は避けましょう。
お店が全くやってないので、食事に困ります。珍しくお店がやっていても普段よりも倍の金額で提供していることがあるので、注意が必要ですね。